🏥 施設・事業者 両方向け解説

介護タクシーがインボイス未登録だと
施設から何が変わる?

病院・老人ホームなどの施設側の経理に与える影響と、未登録事業者が直面するリスクをわかりやすく解説します。

東京介護タクシー情報センター | 2025年6月更新

💡 インボイス制度と仕入税額控除の基本

介護タクシーを利用する病院・老人ホームなどの施設は、消費税の申告において「仕入税額控除」を行っています。これは、支払った消費税を売上に含まれる消費税から差し引いて、差額だけを納税する仕組みです。

インボイス制度(2023年10月〜)では、この仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になりました。インボイス登録をしていない介護タクシー事業者が発行する領収書・請求書は、適格請求書として認められないため、施設側が控除を受けられなくなります。

⚠️ 重要:施設にとっては「支払った消費税を取り戻せない=実質的なコスト増」になります。これが未登録事業者が敬遠される最大の理由です。

🏥 未登録事業者を使い続けると施設側にどんな影響が出るか

影響①:消費税の仕入税額控除が受けられなくなる

2026年9月末に経過措置が終了すると、未登録の介護タクシーに支払った消費税は全額が控除不能になります。施設側はその分を余分に消費税として納めることになります。

影響②:経理処理が複雑になる

登録済み事業者と未登録事業者が混在すると、それぞれ異なる処理が必要になります。経過措置中は控除率が80%・50%と変化するため、担当者の管理負担が増えます。

影響③:未登録事業者との取引を見直す動きが加速する

コスト意識の高い施設では、同等のサービスであればインボイス登録済みの事業者を優先する選定基準を設けるところが増えています。特に大手法人運営の施設では、取引先審査にインボイス登録の有無を含めるケースが出てきています。

📊 具体的な金額シミュレーション

月に介護タクシーを10回利用、1回あたり税込11,000円(税抜10,000円・消費税1,000円)の施設の場合。

時期・状況1回あたり控除額月10回の控除額年間控除額
登録済み事業者を利用¥1,000(全額)¥10,000¥120,000
未登録・経過措置中(〜2026年9月)
80%控除(2023年10月〜2026年9月)
¥800¥8,000¥96,000
未登録・2026年10月以降¥0(控除なし)¥0¥0
⚠️ 2026年10月以降:登録済み事業者を使う場合と比べて、年間12万円の差が生じます。月10回利用の施設でこの金額です。利用頻度が高い施設ほど影響が大きくなります。

📅 経過措置のタイムライン

2023年10月

インボイス制度スタート

未登録事業者への支払いでも仕入税額の80%は控除可能(経過措置①)

2026年10月

経過措置終了・控除ゼロに

未登録事業者への支払いの消費税は全額控除不能になる。施設側のコスト負担が最大化。

以降

未登録事業者との取引見直しが本格化

経過措置という「猶予」がなくなるため、施設側の未登録事業者への対応が厳しくなることが予想される。

✅ ポイント:2026年9月末までに登録すれば経過措置の恩恵を受けながら移行できます。ギリギリになるほど施設との関係修復が難しくなるため、早めの対応が重要です。

🏥 施設側が未登録事業者に求める対応

実際に施設の経理担当者が未登録の介護タクシー事業者に対して行う(または行いたい)対応として、以下のケースが報告されています。

  • インボイス登録を依頼する:「登録してもらえませんか」と事業者に打診する
  • 料金の値引き交渉:消費税分(10%)を差し引いた金額での取引を求める
  • 取引先の変更:登録済みの別事業者に切り替える
  • 現状維持(経過措置期間中):2026年9月末まで様子を見る
⚠️ 値引き交渉のリスク:施設から「未登録なら消費税分を値引きして」と言われた場合、10%の値引きは事業者にとって大きな収益減になります。これを避けるためにもインボイス登録が有効です。

🚐 介護タクシー事業者が取るべき対策

施設との取引を守り、今後も選ばれ続けるために、介護タクシー事業者として今すぐできる対策をまとめます。

  • インボイス登録を行う:無料・最短15分で手続き完了。最も効果的な対策。
  • 取引施設に登録番号を通知する:登録後、取引のある施設・病院に番号を連絡する。
  • 領収書・請求書のフォーマットを更新する:登録番号を記載したテンプレートに切り替える。
  • ウェブサイト・名刺に登録番号を掲載する:新規の施設開拓時にも有効。
💡 今すぐできること:まず国税庁のインボイス登録申請システムにアクセスし、15〜30分で申請を完了させましょう。登録番号は2〜3週間後に発行されます。

❓ よくある質問

施設から「インボイス登録してほしい」と言われました。断れますか?
断ることは可能ですが、その場合施設側は消費税の控除が受けられないため、取引を見直される可能性があります。経過措置終了後(2026年10月〜)はその傾向が強まります。登録は無料ですので、対応することをおすすめします。
経過措置中(〜2026年9月)はまだ大丈夫ですか?
経過措置中は80%の控除が認められているため、施設側の負担は限定的です。ただし経過措置終了まで1年を切っており、施設側もそれを見越した対応を始めています。できるだけ早く登録することを推奨します。
介護保険適用の搬送もインボイスの対象になりますか?
介護保険適用部分は非課税のため、インボイスの対象外です。ただし自費部分(ストレッチャー加算・深夜割増など)は課税対象となるため、その分についてはインボイス対応が必要です。
施設側はどこで未登録かどうかを確認できますか?
国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」(insite.nta.go.jp)で登録番号または事業者名を検索することで確認できます。受け取った領収書・請求書に登録番号がない場合は未登録と判断されます。

🚐 インボイス登録で施設との取引を守る

登録は無料・最短15分。今すぐ手続きを済ませて、施設からの信頼を確保しましょう。

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